何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

「ーーなんにもないよ」


そして意地を張って、そう貫き通す私。声がひどく強ばってしまった。

中井くんは困ったような悲しそうなような顔をしたけれど、何も言わない。いや、言えないのだ。たぶん。

ーーその後、私達は二人ともお祭りを表面上は楽しむように振舞ったけれど、一度生まれた微妙な空気が消えることはなくて。

沈黙や、中井くん気まずそうな顔をする時間が多くなった。

ーーどうしよう。お祭りに来る前、お母さんと話したのに。

大切な人には、自分の想いをちゃんと言わなきゃいけないって。

だから私は言わなければいけないんだ。あの女の子達に嫉妬を感じてしまったこと。

中井くんが女の子達と話している間、疎外感を覚えてしまったこと。

中井くんと私は、交友関係の潤沢さにあまりに落差があるということ。

だけどそんな感情が私の中にあるなんてこと、惨めすぎて私には言えなかったんだ。