何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

事も無げな口調。私は小さい声で「ふーん、そうなんだ」としか言えなかった。


「本当に久しぶり! 卒業式以来かなあ。あ、隣の子は彼女?」


2人のうちの1人が、私の顔を覗き込みながら言う。いきなり自分に話が向いて、私は固まってしまう。


「まあ……そんなとこ、です」


中井くんが頬をかきながら、少し照れたような素振りでそう言った。


「ふーん、そうなんだ。あ、そういえばさー! 同中の人とはたまに会ってるの?」

「この前みんなで集まろーって連絡したのに、悠来ないんだもーん」


女の子は私をちらりと一瞥した後、特に興味はわかなかったようですぐに別の話題へと移した。ーー私がまったく分からないような話題に。

モテそうな中井くんだから、女の子のどちらか、もしくは二人ともが、中井くんを好きだったらどうしようと思ったけど、この反応を見るとどうやらそれは取り越し苦労だったようだ。

ーーそれはよかったけれど。


「あー、わりぃわりぃ。その日外せない用事あったんだよー」

「そうなのー? 悠が来なきゃつまんないのにー」

「佐々木くんもなんで悠来ねーんだよって愚痴ってたよー」

「え、ささやんが? マジか、そういえばあいつともしばらく会ってないなー」