何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。

こんなにかっこいい人が私の彼氏なんて。今さらながら、夢なんじゃないかと頬をつねりたくなる。

私が何も言わずに中井くんに見とれていると、彼は少し顔を赤らめながら、私に近寄ってきた。


「一瞬、折原さんじゃないかと思っちゃった……」

「えっ、どういうこと……?」


あんまりよくない話な気がして、私は顔を曇らせる。ーーだけど。


「え、いや。綺麗すぎてさ……。あ、いつも綺麗じゃないとか、そういう意味じゃなくて。いつもも綺麗なんだけど! 今日は、なんか雰囲気も違っててさ」


普段はあまり動じることの無い中井くんが、慌てている。しかも、私を褒めながら。


「なんつーか、その……超かわいいっす」


私を上目遣いで見ながら、恐る恐るといった様子で彼は言った。

私はというと、中井くんの言葉が嬉しすぎて、死にそうだ。呼吸が苦しくなるほど、幸せな嬉しさがとめどなく込み上げてくる。


「よ、よかった……嬉しい、ありがとう」

「こちらこそー。こんなにおめかししてくれて、男冥利に尽きます」


いつもの中井くんの調子に戻ってきた。だけど、とても嬉しそうに微笑んでいるように見えるのは、私の思い込みじゃないといいな。

そして私は、勇気を振り絞ってこう言った。


「中井くんも。ーーゆ、浴衣似合ってて、かっこいいよ」