*
待ち合わせ場所の学校正門前に、約束の時間の5分前に到着した私。
ーー浴衣、変じゃないよね。
襟元や足元などを、ちらちら見ては何度も確認してしまう。
家で鏡越しに全身をチェックした時は、我ながらきれいだと思ったけれど、なんとなくだんだん不安になってきてしまった。
中井くん、かわいいって思ってくれるかな。
落ち着かない私は、下駄をのかかとをこつこつと上げたり下げたりしながら、彼が来るのを待った。
そして、待ち合わせ時間の1分前になった時のこと。
「ーーあれ?」
背後から、聞き覚えのある大好きな声がした。男性にしては少し高めだけど、穏やかな声。
「あ……」
私はなんて言ったらいいかわからず、おずおずと振り返る。するとそこには、紺の浴衣をさらりと着こなした、中井くんが立っていた。
なんとなく、中井くんはTシャツとジーンズといった、普段着で来るんだと思い込んでいたので、私は驚いてしまった。
中井くんが着ているのは、不規則な太さの縦線だけが入ったシンプルな浴衣。帯は黒の単色で、こなれた感じで巻かれている。
長身の中井くんの浴衣姿は、普段とは違う、どこか大人っぽい色気のようなものを醸し出していて。
はっきり言ってーーかっこいい。そういう感想しか、出てこない。
待ち合わせ場所の学校正門前に、約束の時間の5分前に到着した私。
ーー浴衣、変じゃないよね。
襟元や足元などを、ちらちら見ては何度も確認してしまう。
家で鏡越しに全身をチェックした時は、我ながらきれいだと思ったけれど、なんとなくだんだん不安になってきてしまった。
中井くん、かわいいって思ってくれるかな。
落ち着かない私は、下駄をのかかとをこつこつと上げたり下げたりしながら、彼が来るのを待った。
そして、待ち合わせ時間の1分前になった時のこと。
「ーーあれ?」
背後から、聞き覚えのある大好きな声がした。男性にしては少し高めだけど、穏やかな声。
「あ……」
私はなんて言ったらいいかわからず、おずおずと振り返る。するとそこには、紺の浴衣をさらりと着こなした、中井くんが立っていた。
なんとなく、中井くんはTシャツとジーンズといった、普段着で来るんだと思い込んでいたので、私は驚いてしまった。
中井くんが着ているのは、不規則な太さの縦線だけが入ったシンプルな浴衣。帯は黒の単色で、こなれた感じで巻かれている。
長身の中井くんの浴衣姿は、普段とは違う、どこか大人っぽい色気のようなものを醸し出していて。
はっきり言ってーーかっこいい。そういう感想しか、出てこない。



