セナカアワセ

「彼は、、、、、、





俺のイメージまで悪くするなよ。





って。




そして、私が持っていた本のページを破り捨てた。





そこで別れを告げられた。




次の日、学校に行ったら私の噂でいっぱいだったんだ。




彼に振られたなんて、可哀想な子。ってね。」





彼は運動できる私が好きだった。




その私だけが好きだった。



彼も運動神経が良かったから、周りからはよくスポーツ万能カップルなんて言われてた。



私はそんなに気にしていなかったけど、彼は周りからそう言われて注目を集めるのが好きだったみたい。



周りから憧れられて、自分の運動神経の良さを示せる。



まして、彼女まで運動できるなら自分に注目を集めるのなんて簡単なことだった。




だから、別れてから彼の友達はみんな私のことを馬鹿にした。




彼が私を馬鹿にすれば、その友達も馬鹿にする。




それぐらいの影響力があった。




そのままの私を好きになってはくれなかった。




「なんで別れちゃったの?お似合いなのに。」




「あんなカッコイイ彼氏より、そんな本の方がいいのか?」




「別れて絶対後悔するぞ?」




「運動してる那美佳が良かったのに。」




「もうやめてっ!!!!」




私が言われた言葉を次々口にしていると、泣きながら栞里が言った。



「もう、それ以上言わないでっ!!言いながらまた、苦しまないでっ。」



そう言って抱きしめられる。




その温もりに安心したのか、私の目からも大粒の涙が溢れ出す。



「誰も、誰も分かってくれなかったっ!悔しかったっ!好きなことが知れ渡ることで、友達だった人が友達じゃなくなっていくみたいだった!」