セナカアワセ

那美佳の行きたかったエリアに行くと、端から端まで真剣に見ていた。



本当に好きなんだな。




自分の好きなこと、堂々と言えるようになればいいのに。



隠す必要なんてあるか?




こんなに夢中なのに。




もちろん、最初から那美佳の秘密を誰かに話そうなんて思ってないけど、なんでこんなに隠したがるのか分からない。




いつかその理由を話してくれるまで、俺からは踏み込めない気がする。



お昼を食べて、俺がボーリングに誘った。



体を動かすのが好きな那美佳だから、絶対気に入ってくれると思った。



クリスマスに?って思ったけど、人混み嫌いだし。




投げ始めてやっぱりそうだって思った。




投げ方を教えることも無く、ストライクを取っていく。



いや、付き合ってないよ?



付き合ってないけどさ、普通男が投げ方教えるとかそういうのあるじゃん。




もう、笑えてきたよ!




本当に、調子抜けする。



那美佳と甘いシチュエーション作るのがこんなに難しいなんて。



本当に一筋縄ではいかないな。



そこで俺は賭けを持ち出した。



ボーリングは何度も部活仲間とやっていたし、自信がある。



俺が最後にストライクを取って、那美佳は悔しそうにもがいていた。



そんな姿も可愛く見える。



ほんとに俺だけ重症。