セナカアワセ

素直に嬉しかった。




喜ぶ那美佳を見て俺は確信したんだ。




那美佳に、恋をしてる。




那美佳が笑うたびに俺の心があったかくなって、目が離せなくて。




好きだと確信したら、心の中でなにかずっと楽になった。



久しぶりの感情に、胸が高鳴る。




もう、恋なんてするわけないって思ってた。





また何かを決断する時、あんなことがまた起きるんじゃないか。



そういう不安もあったけど、今は那美佳が好きだという気持ちの方が強い。




だから、クリスマス当日、本当に緊張した。



試合でもこんなに緊張しない。



駅で那美佳を見つけると、鏡を見ながら髪型を気にしてるみたいだった。



驚かせようと後ろから近づく。



びっくりしている姿が可愛かった。



はぐれるかもしれないなんて、適当な理由を考えて、手を繋ぐ理由を探した。



本当に俺って、、、、、、



那美佳の手は冷たくて、俺の手を握ってあったかいなんて言ってくるから、もっと俺の熱が上がる。



那美佳が行きたいって言ってたミュージアムは想像以上だった。



特に、宇宙がテーマのエリアに目を奪われた。



いつも本で見ていた平面だけの宇宙が、立体になって俺の周りを360度囲む。



宇宙空間ってこんな感じなんだな、、、、、、



映像で流れるブラックホールも、惑星の模型も、全てに目を奪われる。



もっと、気になった。



もっと知りたいと思った。



それは那美佳も同じだったみたいだ。