何回目かな?





除夜の鐘を数えていたけど、途中でわからなくなった。




することも無いから、私は借りていた枕草子の解説が書かれた本を読んでいた。



やっぱり、人によってちょっとずつ解釈の違いがあるんだよな。



、、、、、、私も、平安時代の貴族みたいに、好きな人に好きって言えたらいいのに。



「なんてねーーーー。、、、今年こそ、過去を克服したいとは思うんだけど。」



テーブルに突っ伏していると、玄関からピンポーンと音がした。



私は急いでテレビを消してそばに置いていたバックを手に取る。




「はいはいはーーーーい。」




ドアを開けると、そこに居たのは、





「えっ!?遙人っ!?」




びっくりした?と聞く栞里と、会長と遙人の姿が。




「知ってた?会長と遙人君って幼なじみなんだってよ?」



「幼なじみ!?!?」



「そんなに驚くのかよー、副会長。しかも俺がいること忘れてない?」



はい、その通り、忘れてました。



だって、目の前にいるからビックリするじゃん!!



「じゃあ、初詣行こう。那美佳、鍵が鍵。」



「あっ、そうだった!!」



急いで鍵を閉めると、遙人の隣に並んで歩いた。




「そんなにびっくりした?」



「そりゃするよ!!しかも会長と幼なじみなんて知らなかったし。」




「家が近いだけだよ。昨日、会長が俺の家に野菜届けに来てくれて、初詣誰と行くんだって言われて。行かない予定だって行ったら、副会長誘ってるからお前も来いとか言われて。まぁ、そんな感じ?」




そうだったんだ。




会長、いつも私に対してあたり強いのに、今日だけはちょっと感謝。



でも、遙人がいるって分かっているならもうちょっとちゃんとした服着てくればよかった、、、



そう言って栞里に耳打ちすると、だからスペシャルゲストが来るって言ったのにって言われた。



遙人って言ってくれればいいのに。



そんなことを考えていると、神社に並ぶ長蛇の列が見えた。



「うわーーーーーーーー。これは凄いね。」




「毎年こんな感じですよ。並びましょ。」




会長と栞里の会話を聞いていると、生徒会の時と態度が変わってなくて、なんか2人らしいなって思った。



あーーー、でも寒い!!



急いできたからマフラーを置いてきてしまった。