セナカアワセ

そう1人で考えていると、



「今日、那美佳新鮮だね。いつも制服しか見ないから。」



突然そう言われて、私は言葉に詰まる。



それは、どういう意味なんだろうか、、、



「似合ってるってことだよ。ほら、人多いから行こう。」



そんなことサラッと言われて余計戸惑う。



恥ずかしくなって赤くなった顔を隠しながら、遙人の隣を歩いた。



隣を歩いているのは遙人なのに、いつもと別人に見える。




「やっぱり人多いねー。」



「そうだな。離れないでよ?」



「迷子になんてなりません。」



「ほんとに?」




本当だよ!と言い張る私に、もし迷子になったら言うこと1回聞いてねと賭けを持ち出す遙人。



私は望むところだと遙人の肩を叩いてやった。




それから、いつも通りの会話をしながら、歩くこと5分。




「ここだーーー!」



私は1人ではしゃいだ声を出していた。



隣の遙人も嬉しそうに笑う。



「ほら、早く行こう!!」



繋いでた手を引っ張って、急いでチケットを渡す。



「「うわーーーーーーーー」」



私たちの声が重なる。



入口に入った途端、目に入って来たのは色とりどりのプロジェクションマッピング。



静かな音楽とともに、見たことない世界に包まれる。



「凄いね、、、、、、感動。」



「うん。思った以上に凄いな。」



私も遙人も言葉もなくただ歩きながら光を目で追ってた。



あっ、写真!!



せっかく来たのに一枚も撮らないのは勿体ない。



あちこち写真を撮っていると、遙人が貸してと私のスマホを手に取った。



画面を私たちの方を向けて、



カシャッ



と、シャッター音が鳴る。



撮った写真を見ると、笑顔の私たちの姿。



「後で俺のにも送って。」



「うん。」



小声で話しながら、私達は幻想的な空間を楽しんだ。