私がそう言うと、ごめんごめんと言いながら私の手を取って立ち上がらせてくれる。



「俺の袖でも裾でも掴んでていいから。」



「、、、、、、うん。」




私は遙人の制服の裾を掴んだ。



でも驚かされてびっくりした時は、遙人の腕を掴んだり、叫んだりで、恥ずかしさと怖さでいっぱいになった。



「あっ、出口。」




遙人が扉を開くと、眩しい光に目を瞑る。



「那美佳?大丈夫だった?」



遙人が屈んで私の顔を覗こうとするから、慌てて顔を隠す。



「今顔見ないで、、、目赤いし擦って腫れてるから。」



私がそう言うと遙人が私の手を引いて中庭まで連れてこられた。



ここで待っててと言われて、ベンチに座る。



ずっと下を向いていたから遙人がどこに行ったのか分からない。



しばらくして遙人が戻ってきた。



「はい。これ。」



そう言ってペットボトルの水をくれる。



「ありがとう。」



「落ち着いた?」



「うん。っていうか、元はと言えば遙人が悪いんじゃん!!怖いの知ってて連れてきて!!」



私が立ち上がってそう言うと遙人は声を上げて笑った。



「本当に目赤いし!!あー、面白かった!!あんなに取り乱してる那美佳初めて見た。」



「笑ってないで謝って!!」



「はいはい、ごめんって。悪かったよ。でも、ちょっと楽しかったでしょ?」