セナカアワセ

その後遙人はちゃんと教えてくれたし。




栞里に印をつけてもらった所も勉強した。




外はだんだん日が沈んできて、下校時間のチャイムが鳴った。



「よし、そろそろ帰るかー。」



遙人が背伸びをしながら私に聞く。



「うん。ありがとう、その、教えてくれて。」



「ふははっ!どういたしまして。意外とツンデレなんだねー。」



「ツンデレ!?違うよ!?」



「だからそういう所がツンデレだって。ほら、帰ろ。」



そう言って立ち上がると、自分のリュックを背負って、私のリュックも持つ。



「えっ、ちょっ、私のリュック!」



どんどん歩いていく遙人を慌てて追いかける。



廊下に出ると、



「そんなに重そうな本持ってんだから、校門まで持ってやるよ。」



そう言ってまた歩き出す遙人。



私はそっと遙人の歩く。



「、、、、、、ありがとう。」



「うん。」




優しいのか、意地悪なのか、、、、



全然遙人のことが分からないけど、意地悪な人って訳ではなくて。



遙人のせいで私の頭はグルグルする。



「那美佳はどっち方向なの?」



外に出ると遙人に聞かれた。



「私は駅に行って、そこから3つ目の駅で降りるよ。」



「そうなの!?俺5つ目の駅で降りるから、一緒だな。今まで同じ電車に乗ってたのかもな。」