セナカアワセ

肩から手を離してお願いする。



なんでお願いしなきゃいけないのか分からないけど、バラさせたくないから。



「うーん。まぁ、いいよ。秘密にしてあげる。その代わり、俺もたまにここに来るから。」



「えっ!?来るの!?」



「隠してあげるんだからいいじゃーん。」



笑いながら言われてムカつくけど、渋々OKした。



「じゃあ俺もテスト勉強しようかなー。」



そう言って教科書をリュックから取り出す。



「理系クラスなの?」



向かい側に座りながら聞いてみる。



「うん。5組。」



「そうなんだ。」



「那美佳は何勉強するの?」



「今日は英語と数学かな。」



さっきの驚きが収まってきたのか普通に会話出来るようになった。



「へーー。数学出来なそう。」



「失礼だな。でも、得意ではない。」



「教えてやろっか?」



予想外の言葉に私は固まる。



絶対悪口言われると思った。



「教えてくれるの?」



そう言うと遙人は声を出して笑った。



「そんなに俺ひどい人だと思われてるの?別に、人の秘密知ってたって、数学くらい教えるけど。」



「、、、、、、意外。」




「教えないよ?」




「取り消します。」




遙人と話していると調子が狂う。



初めてのタイプ。



陸とも、栞里とも違う性格で戸惑うけど、なんでだろう、、、



そこまで嫌な人って感じがしないんだ。