セナカアワセ

遙人だって、鈍感じゃん。




ストレートな言葉が私の胸をグサグサ指して、照れさせる。




「那美香はありのままでいいよ。俺はそこが好きだから。でも思ってることがあるなら言ってほしい。」




「うん。、、、、、、ありがとう。遙人もね。」





ちょっとだけいつもより甘い空気になったのは一瞬だった。




バッシュ見に行ったら、




「待って!!こっちの方がいい!!」




「いや、俺が黒にするから那美香が白にしろって!!」




「白はやだ!!汚れるもん!!私が黒!!」




色の譲り合いなんてそんなものはない!!




じゃんけんで決めるのも嫌だしなー。




とそんなことを考えていると、





「あれ?那美香?」




と聞いたことのある声。




「ん?由果っ!!」




そこには由果の姿が!




私は思いっきり由果に抱きついた。





「ちょっ、痛いー!!那美香は何してんの?ここで。」




「遙人とバッシュ見に来たの!欲しいものが被って、お互い譲らないから困ってて、、、」





私がそう言うと呆れたようにため息をつく由果。





「本当にカップルかよ。」




たまに出る毒舌ももう慣れた。




可愛い顔して毒ずく由果が私にはツボなんだ。




「あっ、そうだ!由果こないだ気になる人出来たって言ったじゃん!!あれから会った?」





「あっ!それがね!友田に聞いたら那美香と同じ学校の人だったの。しかも写真まで手に入れた!!」





見てみてと言われスマホを覗くと、そこには、見慣れた顔が、、、、、、




「これ、私の友達、、、」