セナカアワセ

私がそう言うと、男の子は笑って、



「あはは!面白いこと言うね、副会長。あっ、名前の方がいい?那美佳ちゃん?」



名前とか呼び方とか、どうでもいい!!



初対面なのになんでこんなに図々しいの!?



「那美佳だけど、なんなの!?」



ちょっと怒って言うと、男の子は近づいて私の荷物を置いた向かい側に座った。



「いや、誰か来たなーって思って見てたんだけど、先生と話してるの聞いて、誰もいない方がいいとか言ってたから、顔出さない方いいなと思って。」



手に持っていた本をペラペラ捲りながら言う。



嘘でしょ?



さっきの聞いてたの?



ってことは、



「なんで人がいたらダメなわけ?」




やっぱりーーーーー!!




聞かれてた、さっきの話。



「いや、別に。あなたに言う必要ないもん。」



「他人行儀だなー。」



いやいや、今会ったばっかりだし。



「俺の名前、星川遙人。あなたじゃなくて、遙人って呼んでよ。」



そう言って手を前に差し出した。



これは、、、、握手?



とりあえず出された手を握る。



「それで?なんで秘密なわけ?」



「別にいいでしょ。言いたくないことだってあるもん。」



「ふーーん。、、、、、、じゃあ俺がみんなに言ってもいいの?あの那美佳が図書室に来てるって言っても。」



「それはダメ!!!」



瞬間、遙人の肩を掴んでいた。



それは、絶対にダメ。



「じゃ、教えてよ。俺に。」



なんなんだ、この人は。



急に現れたと思ったら、いきなり呼び捨てで。



人の弱みを握ったと思ったら、みんなに言っちゃうと脅してきて。



嫌な奴、、、、、、、、、



だからといって、みんなに言われるのはやだ。



「、、、、、、、、、言うよ。でも、もう少ししてから言うよ。今はまだ、言えない。」