これ以上困らせんなって言う遙人が可愛く見えた。




走っていたら、遙人に捕まって、後ろから抱きしめられる。




もう、嫌な気はしない。





あったかい。







やっと、通じたこの思い。









ここから、始めていこうと思う。









だって、私たちの過去は変えられないし、間違ったことは完全に消すことは出来ないんだ。









不安も悩みも、そんなのなんにでもついてくる。







だから、好きって気持ちを、今は大事にしたいなって思ったんだ。







「そろそろ帰るか。」




「うん。帰ろっか。」




抱きしめていた手はそのまま私の手を握った。




「、、、、、、好きだよ、那美香。」





私を見つめる遙人。





「うん、私も。好きだよ、遙人。」





遙人の目に映る、私の姿。











いろんなことを乗り越えてきた私達だから、これから何があっても乗り越えられる。





ゆっくりここから二人で歩いていこう。








さっきまで関係ないと思っていた、ホワイトデーの夜、私達の気持ちは重なった。









何度すれ違ったんだろう。









〔セナカアワセ〕だった私達は














〔ムカイアワセ〕になった。










ここからゆっくり歩いていこうよ。








だって私達は、










お互いの目を見ているんだから。























END