もう那美香が俺のことを好きじゃなくても、俺の気持ちは変わらない。




あんなに傷つけたのに、今更だけど、この気持ちを伝えたいって思う。




「俺今度、ちゃんと伝えるよ。」




「うん。、、、、、、行ってきな。」




「ありがとう。由果。あとやっぱり、ごめんな。」




「うん。、、、私こそごめんね。頑張ってね、遙人。」




そう言って俺達は店の前で別れた。




良かった。



気になっていたこと、心にずっと残っていたもの、苦しんでいたもの、俺を縛り付けていた過去がなくなった。




後残っているのはひとつだけだ。




あんなひどい言い方して、傷つけて。




那美香の過去を知って、俺は、最低な奴だ。




こんな俺、もう好きじゃないって言われるに決まってる。




でも、どうしても伝えたい。




恋人にならなくてもいいから。




伝えたい。




クリスマスの時の那美香の手の温もりを俺は今でも覚えている。




笑顔も仕草も。




また、遙人って名前を呼んでくれたら。




後悔だけはしたくない。




だから、




君に伝えるよ。