セナカアワセ

次の日の放課後。




「じゃあ、塾頑張ってね!」



「うん。那美佳も国語だけじゃなくて、英語も頑張れ。」




「はーい。」



栞里にも言われたし、今日は英語やらないとな。



でも意外と数学がやばかったりする。



「あっ、図書室!」



リュックを背負って、図書室に向かう。



外を見ながら歩いていると、綺麗な空が広がっていた。



天気がいいと気分がいい。




「失礼しまーす。」



「おっ、那美佳ちゃん!これ頼んでた本届いたよー。」



茶色の髪をゆるく巻いた図書室の先生。



私の秘密を知る第一人者。



「ありがとうございます!実は届いてたの知ってたんですけど、先生いなくて。」




「そうだったの!?ごめんねー。はい、じゃあどうぞ。」



渡された分厚い本を受け取る。



「ありがとうございます!あのー、今日って、」



「大丈夫だよ。みんな自習室に行く人の方が多いみたい。今のところはー、、、那美佳ちゃんだけだと思う。」



「そっか。良かったー。」



「全く。別に那美佳ちゃんがそんな分厚い古典文学読んでても、変に思わないよ?みんなに隠すことないんじゃない?」



先生が微笑みながら言う。



「はい。、、、でもやっぱり、気になっちゃうから。私のイメージは、運動できる人、だから。」




「そっか。まぁ、隠すことでもないとは思うからね。その本、面白いから、読んだら感想教えてね。」




「はい!絶対伝えます!」



「じゃあ私これから会議あるから。」




そう言って先生が教室を出る。




私は本を持ったまま、教室の1番後ろの席に行く。



そこから見える外の景色が本当に綺麗なんだ。



1年生の時、初めてこの場所に来た時、感動したのを今でも覚えている。







私の秘密。




それは、古典文学が好きってこと。



普通のことじゃない?って思うけど、私に出来たイメージがあるから、なかなかみんなには言えない趣味だ。



あの時のトラウマを思い出す。



あーーーー、だめだめ!!




もう思い出さないって決めたんだから。



苦い思い出を頭から振り切るように、私は頭をぶんぶん振った。



「よし、勉強しよう。」