「もしかして、この寒さの中走って汗かいてそのまんまなんてことないよな?那美香ちゃんのロファーぼろぼろになってたけど。」




「ごめん。図星かもしれない。ていうか、ロファーなんて細かいところよく見てるね。」




私がそう言うと、女の子のことは俺の方が分かってるなんてドヤ顔してきた。




「俺そこのドラックストア行ってくるから乗ってろよ。」




そう言って車を降りて走っていくお兄ちゃん。




私はそっと眠っている那美香に話しかけた。




「無理して笑わないでね。私がいるんだから。」



那美香の頭を撫でていると、私も寝てしまったようでいつの間にか家に着いていた。



お兄ちゃんが那美香のことを抱えて、私のベッドにのせた。



文句を言いながらもお粥まで作ってくれたお兄ちゃんには本当に感謝。



また出かけていくのかと思ったけど、こんな時にどこにも行けねーだろと、結局看病を手伝ってくれた。



一通り片付いたところで私はリビングのソファーで写真を見ていた。



那美香と撮ったたくさんの写真。



「仲良いんだな。」



後ろからお兄ちゃんが声を掛けて、隣に座った。




「うん。すごく。」




「、、、、、、大体女があんな風になる原因は親か男のどっちかだ。そうだろ?」




そう言われて無言のまま頷く。



「そういう時、友達がしてやれることはほとんどないんだよ。結局、自分で立ち直ろうとしない限り、前になんて進めねーよ。」



「なんでそんなに詳しいの?」



「それは秘密。俺にも親友って言えるやついるからな。分かるよ大体。」




「でも、私那美香のこと助けてあげたいもん。」