セナカアワセ

那美香のお母さんには何回か会ったことがある。



今は鼻声なことに気づかれないように、声をちょっと変えたりしてみた。




「全然いいのよ〜!あっ、那美香いる?」



「今お菓子食べすぎたってトイレにこもってます。」



「本当にあの子ったら何してるんだか、、、悪いんだけど、伝言伝えてもらっていいかな?」




「はい!」




「今日仕事残業になって帰れなくなったって。しかも明日から1週間出張なのよ〜。お父さんも明日出張から帰るって言ってたんだけど、1週間延期になったみたいで。だから、今日から1週間帰れないからご飯は買って食べてって。」



1週間もいないのか、、、、、、



那美香ならきっと両親にも言わないんだろうな。



心配かけるとか言って、部屋から出てこなさそう。



あっ、それなら!!



「あのおばさん!那美香、私の家に泊まらせてもいいですか?」



「えっ!?それは迷惑にならない?」



「全然大丈夫です!私の家も両親帰ってくるの遅いですし、1人でいるの寂しいので。」



お兄ちゃんはいるけど、普段は何の役にも立たないポンコツ。



大学に行ってるけど、ほとんど毎日遊んでるし。



それでも試験ではいい結果取るところがムカつく。