「あれ?那美香?どうした、」





栞里?




ごめんね。




ダメだった。




全然ダメだった。




栞里の声を無視して、思いっきり、思いっきり走った。



目の前は涙でなんにも見えない。




駅に着いた時も人目をはばからず涙を流した。




周りから見ても痛い人だ。




バレンタインだったのが良かった。




みんな自分達の幸せしか見えてないから、泣いてる私なんて気にしない。



それで良かった。



私の降りる駅に着いた時、着いた瞬間また走り出した。



家まで止まらずに。



家のドアを思いっきり開けて、自分の部屋に駆け込んだ。




今日家に誰もいなくてよかった。




誰か帰ってくるまで思いっきり声を出せる。




ずっと歯を食いしばっていたから、ほっぺも痛い。



唇も噛んでしまったのか血が出ている。



そして、



思いっきり泣いた。



これまでにないくらい、



声を上げて泣いた。



「ヴァァァーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」






「いっ、、、、、、、ったい!!痛いっ!!!たっ、すけ、、、、て。もぅ、、、、、、、しんどいよぉーーーーー!!!うっ、、、うっ、、、ぁ、、、、。あぁーーーーーー!!くるしぃ、、、、、、もぅ、、、、恋なんて、、、、ぜっ、たいっ、、、、しない、、、、、、」






私の意識が途絶えた。






喉も、目も、口も、痛くて死にそう。







最後に見たのは、





私そうとしていた、







潰れたチョコレートの箱