遙人の口からは次々と由果ちゃんのことを褒める言葉が。




待ってよ。




私今振られたのに、なんで私の前で由果ちゃんのこと褒めるの?



もうこれ以上言わなくていいよって言おうとしても、私の声を遮って、遙人は話を止めない。




「色々あったけど、初めからやり直そうって決めたんだ。、、、それに比べて那美香は運動ばっかりだろ?正直、お菓子作りとか女の子らしいことしてる子がタイプだし。だから、ごめんな。嬉しいけど、やっぱり体育祭全力な体育会系とか、ちょっと重いわ。」






信じられなかった。



痛かった。



また傷がえぐられるように痛み出す。



息ができない、、、



苦しい、、、、



痛い、、、、



痛い、、、、




私の目からは大粒の涙と短い息がかすかに出ている。



私は立ち上がって思いっきり走った。




走って、




走って、



走って、




遙人から、




過去から、




全てから逃げるように、、、




走り続けろ。




足を止めたら、



自分が壊れるような気がした。



また、



また、



私は、



もう、



恋なんて出来ないのかもしれない。




好きな人にはいつもこんなことばかり、




聞きたくないような言葉ばかり言われて、




振られるなら、




ごめんなさいの一言で良かった。




他の人のいい所なんて、




言わなくていいよ、、、



遙人の目と、



たくさんの言葉が私の胸に重なって、




重なって、









私を壊すのには十分だった。