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もう、会いに来ないでーー傷つかないで。


君を遠ざけた朝。


最高に悲しい涙を数滴、乾いた地面に零した。

気づいてない君が居てーー。

地面に残る、擦れたタイヤの跡に触れた。
そのすぐそばにある、血痕。
そしてーーーーたくさんの花束。


ねえ、、覚えてる深鈴。


深鈴は、、














「あーあ、そろそろ深鈴が迎えに来るかな。
もうちょい、寝てよう」

.
深鈴が、大好きだった。
小さな時からずっとーーーー。

毎日、深鈴が起こしに来てくれるのが嬉しかった。

だからかな、、





キキーーーッッドンッ!!





え、なんの音?


家の前辺りから物凄い音がしたんだ。


家の前ーー?


人の群れを掻き分け、道路を見た。







長い茶色の髪。
見慣れた制服、赤に染まる深鈴の白い肌だった。






「深鈴ーーーー?



なあ、何寝てんだよ。
起きろよ」

俺は、、血まみれの深鈴を抱き起こした。



「深鈴ーーーー、目開けろよ。


深鈴っ、なんでっ。
なんでだよっ。


俺は、、深鈴が、起こしに来てくれるのが嬉しかったんだ。」



突然の深鈴の交通事故。

狂わしたのは、、深鈴といた14年間。

恋人にも慣れなかった14年間。

「だから、もう会いに来なくていいんだよ!
もう、傷つく必要ないんだよ!!」



ーー 君と過ごした時間は、たった14年間。

あの日、深鈴が起こしに来てくれるのを二度寝しょうとした自分を恨みたい。


あの日、たまには寝坊なんかしないで
深鈴を迎えに行けば何か、変わられたかも知れない。

本当は俺ーーーーーーーー深鈴が、、




世界で一番大好きだった。