するとクラス内の雰囲気が一変した。


アケミがターゲットを決めたのだ。


それに逆らう生徒はいない。


腕力に自身のある生徒たちは次々にコートの外へ出て、花を狙ってボールを投げ始めた。


先生が見ている間は弱く投げるが、先生がいなくなると全力を出す。


ボールは花の足や腕、胴にぶつかる。


その度に花は顔を歪めてうずくまってしまった。


「痛い! やめて!」


そんな声が届く事もなく、体育の授業は終わったのだった。