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良のベッドに横にならせてもらうと、体中が痛いことに気が付いた。


ずっと走り回っていたし、命の危険を感じて無茶なことをしてきたせいだ。


「少し寝ろよ。俺は部屋から出とくから」


「良……どうしてそんなに優しくしてくれるの?」


部屋を出ようとした良にそう聞くと、良は一瞬にして頬を真っ赤に染めた。


耳まで赤くなった良にこちらまで照れてしまう。


「別に、意味はない」


良はぶっきら棒にそう言ったけれど、あたしには良の気持ちが十分に伝わって来たのだった。