あたしが夕子たちにイジメられるようになったのはいつからだっけ？


なんだか昨日から記憶が混乱していて、ハッキリと思い出すことができない。


「あ、ツグミ」


学校へ行く途中、松葉づえ姿のツグミを見つけてあたしは声をかけた。


ツグミは振り向き、そしてすぐに俯いた。


「おはよう」


駆け寄ってそう声をかけると、ツグミも一応は「おはよう」と、返事をしてくれる。


ツグミが松葉づえを使い始めたのはここ数日のことだけど、どうして怪我をしたのかいまだに教えてもらっていなかった。


でも、それ以来ツグミはあたしに対して距離を置くようになっていた。


「今日もいい天気だね」


あたしはできるだけ関係のない話題をする。


ツグミは時折頷き、時折苦しそうな笑顔を浮かべた。