声のトーンはだいぶ抑えてくれたものの、やっぱりメタクソに叱られる。まあ確かに、ゲンツさんが助けてくれなかったら私はどれほどの大怪我を追っていたか分からないので、文句は言えない。
「ごめんなさい……。助けてくれてありがとうございます」
しょんぼりと謝罪すれば、ようやくゲンツさんは口を閉じた。
でも、叱られてはしまったけれど久しぶりに口を聞いてもらえたことが、内心私は嬉しかった。
……ところが。いつまで経ってもゲンツさんは立ち上がろうともせず、私を抱えた腕も離そうとしない。
「あの……ゲンツさん?」
とりあえず放してもらおうと振り向いて呼びかけたときだった。
「……お前、本当にほっそい身体してんなあ……」
独り言ちるようにボソリとゲンツさんが零した。
何度も言われたことのある台詞なのに、今日はいつもと違うと感じたのは気のせいだろうか。
「……細くて当然か。女だもんな」



