呼び鈴を鳴らすと家令と思わしき男性が出てきて対応してくれた。名を伝えゲンツさんへの面会を希望すると、男性は私を一階の応接室に案内してからゲンツさんのもとへ向かった。
しばらくののち扉が開きゲンツさんが来たのかと思ったら、先ほどの家令の男性が私をどこかへ案内してくれた。
綺麗に手入れの行き届いた廊下には、あらゆるところに花が活けてあって目を和ませてくれる。その廊下の突き当りに中庭に続く出口があり、家令はその扉を開けて一礼した。
「わあ……」
開かれた光景に私は目を瞠る。
広い庭には色とりどりの花が鮮やかに咲いており、王宮庭園並みの整然とした調和を誇っていた。
噴水から続く水路は心地よい水音をたてて流れており、花達は瑞々しく活き活きと育っている。
なんて心地よく美しい庭なんだろうと感激している私の目に、花壇の中央で花の手入れをしているゲンツさんの姿が映った。
一瞬気持ちが竦んだけれど、勇気を出して彼のもとまで歩いていく。
「……ゲンツさん」



