こんな状況で必死に服を脱がされまいとする私に、ゲンツさんもラデツキー将軍も一瞬呆気にとられる。
「はあ? お前こんなときに何馬鹿なこと言ってるんだ。いいからおとなしくしてろ」
「嫌っ……! お願いだから……!」
力の入らない手でそれでも必死に抵抗していると、ベッドの頭側からラデツキー将軍に手首を掴まれ動けなくされてしまった。
「痛みで錯乱しているのかもしれません。私が押さえていますので、ゲンツ殿は続けてください」
「駄目、ぇっ! 見ちゃ駄目……っ」
ただでさえ痛くて身体に力が入らないのに、将軍のような屈強な男性に掴まれてしまってはもはや抗うことができない。
ゲンツさんは私のシャツのボタンをすべてあけると、大きく胸もとを開いて「ん?」と不思議そうな声を出した。
「なんだ? 元々怪我でもしてたのか?」
彼の目に映っているのは、私が胸の膨らみを抑えるためにつけているさらしだ。「動かせねえから切っちまうぞ」と言って医師に借りた鋏で中央をジョキジョキと切っていく。
そしてハラリと散っていったさらしの下から現れた私の胸を見て、ゲンツさんとラデツキー将軍の「え」という短い声が聞こえた。
ギリギリBカップの小ぶりな胸とはいえ、女の胸と男のそれは全く違う。
ついに男装がバレてしまったというショックと、よりによってゲンツさんとラデツキー将軍に胸を見られたという恥ずかしさで、私は目にいっぱい涙を溜めて歯を食いしばることしかできなかった。



