病室にくると、とものお母さんと必ず会うよ。 「優一くん、今日もありがとう」 「いいえ。僕が会いたいだけなんで」 いつもこんな感じ。おばさん、少しやつれたよ。 話せなくなるなら、喧嘩していたあの頃の方が良かった。そう呟いてた。 俺もそう思う。 何気ない日々がどれほど大切だったのか、失ってから気がつく。 早く元気になって、とも。