ともが事故に遭ったと俺が聞いたのは、昼休みの時。
担任のむっさんが血相を変えて教室に飛び込んできて、みんな何事かとざわついていた。
「田邊、落ち着いて聞きなさい。芦屋が事故にあった」
「……え?」
心臓が凍りついた。頭が真っ白になって、先生や友達の声が届かなくなった。
すぐに学校を飛び出して病院に向かった。
その時、ともはまだ手術室の中で、『手術中』って書かれた赤いランプを呆然と眺めた。
おばさんは泣き崩れて、おじさんは唇をかみ締めながらその肩を抱きしめていたよ。
とも、一人娘だからね。
可愛いんだよ、大切にされてるんだよ。