「あとで怒られるよ? なんて書いてある?」


「ん。同じ内容。一時帰国。またすぐ向こうに戻るって」


「二人揃って帰ってくるってどうしたんだろうね? お仕事終わったわけじゃなさそうだし」


「なんだろ。平日に帰ってくるから、迎えはいいって」


「その日、ご飯少し作り置いた方がいいかな?」


「そうしとくか」


「………」


ぽすん、と晃くんの背中に寄りかかった。


「さゆ?」


「うん。いや、なんか急に来ちゃって」


「なにが?」


「お母さんたちの出張が終わったら、晃くんと二人の生活も終わっちゃうんだなー、って」


「……ああ」


「あはは。晃くんは淋しくなんかない――」


「ずっと、このままだったらいいのにな」