六花の恋-ライバルと同居することになりました?-【完】



「うん?」


「今日、初日で人多いからはぐれないように、ね?」


「ああ。だな」


この美術館の広さとこの人数、迷ったら合流は難しそうだ。


大人しく青山の言う通りに手をつないだ。


……手をつないだ?


『旭とデート』


……頭の中で咲雪の言葉が木霊した……。


い、いやいや、青山は善意でやってくれてるわけだし――と、あたしはカタをつけて、それ以上このことは考えないようにした。


結果、青山を引っ張りまわした。


「はー……最高。天に召されそう」


「気に入ってもらえてよかった」


片手にパンフレット、片手はまだ青山と手をつないだままで、一通り見学したあたしたちは美術館を出た。


「青山、ありがとな」


「いえいえ。……少しはお礼になったかな?」