あたしの両親はバカみたいに愛情であふれていて、あたしも兄ちゃんもそう言う点では不自由なく生きて来たのに、世の中にはあたしの家みたいな家族ばかりじゃないんだってことを初めて知って。
……咲雪を可哀想とか、そういう家で残念だとかは思わなかった。
どうしてかははっきりわからないんだけど、ただ、悔しかった。
それと同時に、咲雪は将来、バカみたいに愛情にあふれた家庭を持つんだろうなって思った。
咲雪の、真面目だけど少しアホなとことか、他人の言葉を簡単に鵜呑みにする間抜けなとことか、全部を包むように愛してくれる奴が、絶対にいるって。
そしたらすぐ傍にいたよ。
まさか雪村が中学時代から咲雪と仲いいとは考えもしなかった……。
咲雪が悪目立ちがいやで雪村との関係を隠していたって言っていたけど、中学んときから雪村は咲雪をからかうこと言って、咲雪はそれに突っかかっていくって感じだったから。
やっぱライバル同士なんだなーって思っていた。
全然違ったけど。
雪村にはずっと咲雪が特別過ぎて、咲雪にも雪村は特別だったんだろう。



