「あ、ちなみに名前、藍(らん)ね。藍色(あいいろ)の藍で」
「藍さん。兄妹とも綺麗な名前ですね」
微笑を浮かべて言う青山。
……いやいや、お世辞っつーか社交辞令だって。
兄ちゃんと音がお揃い? の名前は、あたしには特別でもなんでもなかったけど、なんか……あたしの名前いいな、とか思っちまった……。
父さんはいつも仕事で遅いから、四人で晩飯を食うことになった。
母さんと兄ちゃんに色々訊かれても嫌な顔疲れた顔一つ見せない青山。
……本気でいい奴だな、こいつ。
……少し休憩させた方がいいかな? メシが終わったタイミングで、あたしの部屋に引き上げた。
「なんで兄ちゃんまであたしの部屋に来るんだよ」
「凛が旭くんに不埒な真似しないとは限らないだろ?」
「しねーよ! あたしの心配じゃねーのかよ!」
「旭くんモテるでしょ? うちの妹なんかで妥協してる場合じゃないんじゃない?」
「聞けよ!」
さらっとムカつくこと言いやがったな。事実だけどよ。そして何気に『旭』って呼んでいるし。
……青山、なんて答えるんだ?



