「咲雪さん! あの、今日一緒に帰りませんか⁉」


「よかったら俺と昼飯を一緒に――」


「咲雪さん! 俺と――」


「え? あ、あの……?」


雪村を遠目に観察していた私の前に、急に男子に壁を作られてしまった。


うわ……これ、絶対あいつ笑ってるでしょ――


「おい。悪いけどそいつ、俺と勉強漬けになるから。そんな暇ない」


「は?」


思わず振り仰ぐと、いつの間にか後ろに雪村が立っていた。


そんで、怖いカオで私の前を見ている。


「え……雪村と?」


「そう。だから邪魔すんな」


「………」


なんでお前はそう偉そうなんだ。と、私がツッコむ前に、雪村に腕を摑まれてしまった。


男子たちを置いて歩き出す。