呆れたように響いた声は、奏子さんだった。
あれ? ラウンジってここ、一階だって聞いたけど……。
「か、奏子さんっ、出るの早過ぎだって」
何故か奏子さんの後ろには知らない男の人がいて、慌てていた。
でも、なんかこの人……。
「奏ちゃん。もう来ちゃったの?」
「ごめんね小雪。そこでやり取り聞いてたんだけどね? みんな純粋過ぎて茶々入れたくなっちゃった」
えへ、と悪戯っぽい笑顔を見せる奏子さん。
えーと……?
「晃、さゆちゃん、もう一人紹介した人がいるの。雪村光司さん。今のところ……晃のお父さんになる予定なんだけど……?」
こ、晃くんのお父さん⁉
しかも、この方もなんとなく似ているなって思ったけど、雪村って苗字ってことは――。
「は、はじめまして、晃くん、咲雪さん。咲雪さんは、兄がお世話になります」
兄!
「お父さんとご兄弟なんですか……?」
「そ、そうなんだ。兄弟そろって今まで仕事一辺倒で、恥ずかしいくらい女性と接点もなくて……あれ、今、咲雪ちゃん……?」
ふっと、私、何気なく呼べていた。



