「小雪―。そろそろ出るわよー」


「うん、奏ちゃんありがと」


「晃、小雪とさゆちゃんに恥かかすんじゃないわよ?」


「当り前」


今日は、奏子さんが運転手をしてくれるらしい。


「奏子さん、すみません。お手数おかけします」


「いいのよ。私もラウンジでお茶してるから」


「……?」


ラウンジ?


奏子さんが言った意味は、到着した先でわかった。


そこは披露宴なんかも行われる、かなり大きなホテルだった。


「ちゃんとした話だから、それなりの場所でね?」


ってお母さんは言ったけど、私の頭は現実についていかない。


いつの間にか、晃くんに手を引かれて歩いていた。