「さゆを護って受ける傷なら、俺には名誉だから」
「でも……」
さゆのさっきまでの笑顔が翳る。
「さゆ、俺も一応男だから、同級生同士の軽い殴り合いくらいは経験してるから、このくらいであの男のこと思い出したりしないよ。殴られたってこと、心配してくれたんだ?」
「……うん」
「正直、琴の腕っぷしはびっくりするけどな。巽に、琴と殴り合いの喧嘩はするなって忠告しないと、巽がボコボコにされる」
「琴ちゃん……」
「この話はこれで終わり。な?」
「……うん。護ってくれて、ありがとう。晃くん」
唇の端に笑みをみせてくれるさゆ。
こちらこそ、護らせてくれてありがとう。大事だから、俺の手で護りたかったんだ。
「……さゆ、今日から一緒に寝ない?」
「ふえっ⁉」



