『そっか……。晃くんが頑張ってくれたのかな?』


「……。もう一つ、なんですけど……」


『うん』


「さゆと、付き合うことになりました。小雪さんと母さんには、二人でちゃんと話そうと思っていたんですけど、旭のこととか、ちょっと俺だけ知ってることもあったから、先に――」


『よくやった! 息子!』


『わーっ! ありがとう晃くん!』


……何故か急に電話の向こうのテンションがあがった。


ありがとうって、なにが?


『さゆってば私のあまりよくない恋愛知ってるから、恋愛することに臆病になってるなってのはわかってたの。でも、晃くんなら安心。晃くん、娘のこと、よろしくね』


『晃~、今以上にさゆちゃん大事にしないと私がゆるさないからね~』


「当たり前。小雪さんも、ありがとうございます」


なんだ。同居ゆるすとか、俺は安全圏に見られていると思っていたけど、二人にはこうなることも想定済みだったみたいな反応だ。


「それで、小雪さんの話って?」