どうやら向こうはスピーカーで話しているようだ。二人の声がはっきり聞こえる。


「小雪さん? あの……話聞く前に、一つ――いや、二つ、いいですか?」


『うん? どうしたの?』


「旭……青山旭って知ってますか? 前は苗字違ったかもしれないけど……」


『うん。知ってるよ。晃くんとさゆの学校に転校したんでしょ? 旭くんから、私のところへ挨拶来てるよ』


「連絡、取る仲だったんすね」


『……そう言うってことは、さゆと旭くんの関係、聞いたの?』


「はい。旭本人から」


『そう……』


「さゆも、知りました。今日、旭が話しました」


『………』


「さゆは大丈夫です。泣いたけど、今は旭のこと、ちゃんと友達として付き合い出来てます」