失恋、決定。


「いや、自分から否定しといてそんなんもないんだけどなー」


一人淋しい帰り道。さゆと晃が暮らしている家から。


「………」


やべ、さすがに泣きそう。


……さゆの幸せを願って来たのは嘘じゃない。でも、本当は。……本当は、俺が―――……。


「お、青山―」


聞き覚えのある声に振り向くと、相馬さんだった。


私服で、コンビニの袋を提げている。


「一人か?」


「あ、うん。さっきまでさゆん家に」


「へー」


にやにやとする相馬さんの視線が痛い。


「青山さ、咲雪のこと本気だっただろ?」