「うれしいの。晃くんが……私のこと、好きになってくれたんだって、急に実感がわいてきた」


「……うん。俺も。さゆは旭のこと好きなままだと思ってたから」


「旭のことは……たぶんもう、『お兄ちゃん』って呼ぶことも出来るよ。晃くんが、小学生の時の私の気持ちまで掬い取ってくれたから、こう、ふわっと昇華? しちゃった」


「じゃあそう呼ぶ?」


「……今更恥ずかしい」


「だよな。……落ち着いたら、下行こう? 旭が待ってる」


「……うん」


抱き付いて来たさゆを、抱きしめ返した。


「さゆ、今日から俺の彼女だってわかってる?」


「……わかってる」


さゆの声が照れているように聞こえた。


その反応からもさゆとの関係が変わったことを実感して、ただ、嬉しかった。