自分の顔が、旭の方を向いた。


旭は、何か痛いところでも抱えているみたいな顔をしている。


「俺の母さんも、結婚しないで俺を産んだのは知ってるよね? 俺とさゆの血縁上の父親、同じ人なんだ」


―――――。


「……うそ」


「本当だよ。さゆのお母さんは知ってる。でも、言わないでほしいって言われてたんだ。俺は、小学校でさゆと逢った時から、さゆが妹だって知ってた。ずっと、兄としてさゆのこと、大事に思って来た。俺が、……もっと早く、名乗り挙げていればよかった。そうしたらさゆ、恋愛感情を置いて来ちゃうようなこともなかったかもしれない……」


うそ……私が旭のいもうと、って……じゃあ、旭は、わたしの………――――


「旭が、私のお兄ちゃん、なの……?」