「さゆー。今日さゆん家行ってもいい?」


「えっ、それは――」


朝、教室に入ってくるなりそう言って来た旭。


晃くんから、一緒に住んでいる諸々は旭にも話したって聞いているけど……。


「大事な話があるんだ。晃には了解もらってる」


「話?」


「うん。俺と、さゆのこと――」


旭の目は、やけに真剣だ。


……なんか、はぐらかせない……。


「で? どうしたの、旭」


リビングに通して、一応お茶を淹れてこようと背を向けたら、旭の声に足が縫い止められた。


「あのね、ずっと黙ってたことなんだけど、俺、知ってたんだ。さゆが、俺の妹だって」


「……へ―――?」


旭、今、なんて言った?