「と言うわけで、まだ雪村のじゃないから青山にもチャンスはあるわけだけど?」


「いや――俺のさゆへのそういうんじゃなくて……」


「ないのか?」


「あ、あえて言うなら、可愛すぎる同い年の妹を持った兄の心境、みたいな感じだな!」


みたいな感じじゃねえだろ俺! 真実伝えてんじゃねえか!


「なるほど。咲雪が大事過ぎてバグ起こしてるんだな、青山の頭は」


「………」


俺のさゆ大事がバグで処理された……。


「まあ、咲雪も雪村もいい奴だから、心配すんなって」


バシッと背中を叩かれた。


「あ、ありがと……?」


「おう」


あー……ほんと心配。でもほんと、晃もさゆもいい奴なんだよなー……。


今、秘密を持っているのは俺だけで。


晃も巻き込んで秘密の共犯者にさせてしまっているけど。


……知ったら、さゆはどうするんだろう。