「……いきなりどうした」


「晃くんと同じ仕事したい! だから今は成績落とさない! 勉強に集中する!」


「そ、そうか……びっくりした……」


「晃くんでもびっくりすることあるんだ?」


「そりゃあ俺も人間だから。でも、楽しみにしてる」


「うん!」


「ちなみにさゆって志望校決めてるの?」


「うん、国立の――――」


「あ、同じとこ」


「晃くんも? 第一志望?」


「そう。俺も合格するしかなくなったなー」


「私も絶対合格する! これからも試験、負けないから!」


「それは一度でも俺に勝ってから言いな」


「晃くんに並んだことはあるよっ」


「旭も参戦してきそうだな?」


「今のライバルは晃くんだから、晃くんに負けたくないの!」


「――――」


「と言うわけで、勉強再開!」


俄然やる気になった私は背後で晃くんが固まっていることにも気づかず、うおおおおっ! と参考書のページを繰っていた。