「……そんなことより、光輝早く飯作れよ!腹減った!」 俺の肩を叩いて、翼咲は笑った。 「ああ、作る。翼咲、お前も手伝え」 「へいへい」 ** ――バンッ!! 「ふざけんな!! 逃がしてんじゃねぇよ! 」 夕食を食べ終わった兄さんが部屋に戻った直後、俺は翼咲に、頬を思いっきり叩かれた。 「分かってる。……妖斗は必ず見つける」 ぎゅっと拳を握りしめて、俺は言う。 「……あぁ、当然だ」 苦虫をかみ潰すような顔をした後、翼咲はしっかりと頷いた。