「……白龍、これからどうすんの」
「兄さんには総長を降りてもらう。次の幹部は妖斗と朔と……真凛かな」
俺は翼咲から目を逸らし、言った。
「妖斗には、どうやって伝えんの?」
「……俺から伝える。兄さんは自分から言ったら、妖斗が納得しないと思ってるみたいだから」
「はっ!? そんなわけねーだろっ!!」
顔を歪め、翼咲は叫んだ。
「わかってる!俺も兄さんから伝えた方がいいと思う。でも、……たぶん妖斗は俺から言っても兄さんから言っても、絶対に納得しないから。それなら、どっちが言うかは些細な問題だ。だろ?」
「……あぁ」
苦虫を噛み潰したような顔をして、翼咲は頷いた。
――些細な問題なわけがなかった。でも、他ならぬ兄さんが自分から言うのを望んでないなら、俺から言うしかない……。
きっとそれが、兄としての務めだから……。



