ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~


「……はぁ。そうですよ。俺は自分が心底嫌いです。自分なんか死ねばいいと思ってます。……でも、死ぬ勇気がないんですよ。父親に殺されかけて、死ぬのを怖いと思ってしまったんです。……俺の母親は、俺が小さい時に家を出ていきました。……俺は小さい時から親父から暴力を受けてました。俺は母親が子供に虐待をする親父に愛想をつかして家を出てった日に、親父に学生なのに生活費を稼げって言われて、逆らったら暴力を振るわれるのがわかってたから、そうならないために自分の顔と体をとことん利用して。

……そうやって生きてたら、いつの間にか、自分を雑に扱うのが当たり前になって。
自分を大切にする方法がわかんなくなっちゃったんです。

客にキレられたりして金が手に入らなくて、結果的に親父に逆らうつもりじゃなかったのにそうなったことが何回かあってそれで散々殴られたりして、アザが増える度に自分のことを嫌いになって。……それで、ますます自分を大切にできなくなっちゃって。

……俺は自分のことが大嫌いなのに、人生なんてどうでもいいって、俺なんかさっさと死ねばいいと思ってるのに、死ぬことができないんです。……自分を大切にできないくせに死ぬのは嫌なんて、矛盾してますよね。それでも、怖いと思ってしまった。ナイフで体を切りつけられて死の狭間に追いやられた時に、生きたいと思ってしまったんですよ」

俺は自虐するみたいに、作り笑いをして言った。

「紅葉さん」

光輝が俺の背中を、服越しに撫でる。

「こ、光輝、なんでそんな手つきで……」

光輝は傷があるのを背中を労わって、すごく優しい手つきで撫でてきた。

そんな風に触られたのは、初めてだった。

「紅葉さん、別に今すぐに自分を大切にしようとしなくていいですよ。そんなの無理でしょうしね。ただ、自己犠牲はもうやめてください。……金は自分のために使ってください。妖斗を逃がした時みたいに、自分を犠牲にして、誰かを逃がそうと考えないでください。
後は、……そうですね。自分の体をもう少しいたわって下さい。痣になにかをぬるのって、実は結構痛いんじゃないですか?」

「……それは、そうだけど」

「だったらやめてください。外見は大事なものですし、紅葉さんが傷を隠したいのは分かりますけど、傷を隠すために痛いのを我慢するのはやめてください。……紅葉さんはもうホストじゃないですし、外見を気にする必要はないんですから」