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「905号室 花房美桜」
俺は病室のドアの横にかかれている名札をじっと見つめた。
改めて見ると、名前がかなり女みたいだな。
俺はLOVEのホストの先輩から美桜が入院している病院を聞いて、ここに来ていた。
俺は深呼吸をして、美桜の病室ドアを開けた。
「……みっ、美桜」
美桜はベッドの上で上半身を起こして、窓に映っている空を見ていた。
「紅葉。……今更何しに来た」
俺の方に振り向き、目を見開いて、美桜はいう。
「美桜。……いや、義父さん、ごめん、ごめんなさい!俺、美桜に拾われてよかったと思ってる。……それは嘘じゃない。でも、俺……ずっとLOVE居づらくて。未成年なのに働いてんのがずっと後ろめたくて「もういい」
俺の声を亘って、美桜は言う。
「……俺こそ悪かった。本当はあの日、死にかけてたお前を警察か、あるいは保護施設に連れてくべきだったんだ。
……本気で助ける気があるなら、そうするべきだった。でも、できなかった。社長がいなくなって、どうにかしてホストの奴らにリーダーとして認められたいと思って。学生雇って働かせれば、一番手っ取り早いと思ったんだ。若い奴の売上を上げられる力が俺にはあるって見せつければ、認めざるを負えないと思ってた。……周りが見えなくなってたんだよ。
お前が同意してても、未成年を働かせるなんてダメだし、金稼がせてるって意味では、お前の親父と同じだってわかってた。けど、本当に切羽詰まってて。社長にもホストにも認めてもらいたくて、必死で……。
俺、お前のこと殴りたかったわけじゃないんだ。
……お前高校生のはずなのに、夜寝れないとか、甘えベタなくせにすげぇ子供っぽいところあって、それでほっておけなくなって。
……親ヅラしてごめん。俺、お前のことも私利私欲のために拾ったくせに、勝手に親心みたいなの持ち始めちゃったんだ。だからお前が妖斗を逃がそうとした時、あんなに怒ったんだよ」



